教えて!脱炭素デキルくん!

columns

  • SDGs
  • 学び
初期費用ゼロ!?自家消費型太陽光発電 オンサイトPPAとは?


2019年から徐々にFIT法(固定価格買取制度)に依存しない自家消費型の太陽光発電所、
Non-FIT型太陽光発電所が普及しはじめているカメ。
Non-FIT型太陽光発電所にはオンサイトとオフサイトモデルがあり、
今回はオンサイトPPAについて詳しく見ていくカメ!

自社所有モデル・オンサイトPPA

まず、自社所有モデルとオンサイトPPAとは、どのようなものか見ていきます。

従来の自家消費型太陽光発電(以後、自社所有モデル と呼びます)は図のように
1.自社の敷地に設置した
2.自社所有の太陽光発電所で
3.発電した電気を
4.自社で使う

という分かりやすい「自家消費型太陽光発電」のモデルでした。

それに対して「オンサイトPPA」は、

1.自社の敷地に設置した
2.「他社所有」の太陽光発電所で
3.発電した電気を「購入して」
4.自社で使う
という 自家消費型太陽光発電 のモデルになります。
 
 

1.自社の敷地を「貸して」「他社所有の発電所」を建てる


 

オンサイトPPA は、屋根などの自社の敷地を他社に貸して、そこに「他社所有の発電所」を建てます。
 
 

2.発電した電気を「購入する」


 

そして、そこで発電した電気を、発電所の持ち主(以後、PPA事業者 と呼びます)から購入します。
 
 

オンサイトPPAと自社所有モデルの違い

「オンサイトPPA」と「自社所有モデル」を比較すると、このようになります。


 
 

オンサイトPPAの方が優れている点


 

オンサイトPPA は、初期費用やメンテナンス費用がかからない点が自社所有モデル と比較しても大きな利点です。
 
 

自社所有モデルの方が優れている点


 

対して、自社所有モデルは、月々の電気料金がかからず、長期的に見るとオンサイトPPAより利益が大きい点が利点になります。
 
 

共通したメリット


 

両者に共通したメリットとしては、「再エネ賦課金 がかからない」「非常用電源としても活用できる」点があげられます。
 
 

共通したデメリット


 

どちらも、自社の敷地内に太陽光発電所を設置しますので「自社の敷地の広さ」によって、発電量に限りがあります。

オンサイトPPAのメリット

 オンサイトPPA「6つのメリット」 

1.初期費用・メンテナンス費用がかからない

2.より多くの発電が可能

3.敷地内に発電所を設置できない企業でも再エネが導入できる

4.複数の拠点に送電できる

5.「電気料金削減」が可能(電気料金高騰時)

6. 電気料金の価格変動リスクに対応できる

 
 

詳しく見ていきましょう。

 メリット1 

初期費用がかからない

 

自家消費型太陽光発電 は、従来導入には大きなコストがかかります。

しかし、オンサイトPPA の場合には、発電所の持ち主は「他社」です。
そのため、発電所の導入にかかるコストは、発電所の持ち主である「他社」が負担するため
電気を使用する自社(需要家)は、初期費用を負担する必要がありません。

この点が、特に オンサイトPPA の人気が高まっている最も大きな理由です。
 
 

 メリット2 

メンテナンスのコストと手間が不要

 

発電所の所有者は「他社」ですので、初期費用と同様に、メンテナンスのコストや手間や責任も電気を使用する自社には必要ありません。
 
 

 メリット3 

電気料金を削減できる

 

前述のように、オンサイトPPA では、発電した電気を「購入する」必要があります。

しかし、一般の電気料金と比較するとかなり金額を抑えることができます。そのため、電気料金の高騰への対策にもなります。
 
 

 メリット4 

再エネ賦課金がかからない

 

従来の一般の電気料金には「再エネ賦課金」がかかります。

再生可能エネルギーの普及促進のため、政府は、再エネで発電された電気を優遇された金額で小売電気事業者 が買い取る制度「FIT(固定価格買取制度)」を行っています。

その優遇された買取価格は「再エネ賦課金」という名前で電気の利用者が支払っています。

オンサイトPPA は、小売電気事業者 を介していないためこの「再エネ賦課金」がかかりません。
 
 

 メリット5 

非常用電源として活用できる

 

オンサイトPPA で設置した発電所は、災害などで一般の送電網が停電した際にも非常用電源として活用することが出来ます。
 
 

 メリット6 

補助金制度を活用できる

 

オンサイトPPA には、国や都道府県からの補助金制度を活用することができます。

初期費用などは、PPA事業者 の負担になりますので

「電気を使う側には補助金は関係ないのでは?」

と思う方もいるかもしれませんがオンサイトPPA 向けの補助金制度の中には、

「PPA事業者 向けの補助金を一定の割合、電気料金の値下げに反映させる」

ことを条件にしている補助金もありますので、電気を使う側にとってもメリットがあります。
 
 

オンサイトPPAのデメリット

 オンサイトPPA「7つのデメリット」 

1.電気料金がかかる

2.自社所有モデルの方が利益が大きい

3.契約期間が長い

4.発電設備の交換・処分ができない

5.契約には審査が必要

6.敷地の広さによっては発電量が限られる

7. 契約終了後のメンテナンスは自己負担になる

 
 

続いてデメリットについて見ていきましょう。

 デメリット1 

電気料金がかかる

 

自社所有モデル では、発電した電気を自分で使用するため、発電した分の電気料金はかかりません。

オンサイトPPA は、電気を購入する必要がありますので月々の電気料金がかかる点は、デメリットであると言えます。
 
 

 デメリット2 

自社所有モデルの方が利益が大きい

 

自社所有モデル

・初期費用はかかるが、月々の電気代はかからない

オンサイトPPA

・初期費用はかからないが、月々の電気代はかかる

費用面における 自社所有モデル と オンサイトPPA の違いは上記のようになっていますが、

電気料金を長期的に比較すると、図のように「PPA事業者 の利益」が加わる分、負担費用は大きくなり、自社所有モデル の方が利益が大きくなります。

 
 

 デメリット3 

契約期間が長い

 

PPA事業者 が設置した太陽光発電所から電気を購入する契約は、15年から20年と長期間になる場合がほとんどです。

その間、発電所を撤去や移動させることはできませんので将来的に、建物の建て替えや移転などの可能性がある場合には注意が必要です。

 
 

 デメリット4 

発電設備の交換・処分ができない

 

契約期間が長いため、その間の発電設備の交換や処分ができません。契約期間中は、発電所は PPA事業者 のものであるため、自社の都合で部品などの交換も不可です。

 
 

 デメリット5 

契約には審査が必要

 

オンサイトPPA を導入する場合、PPA事業者 の審査を受ける必要があります。設置場所の条件や、経営状況によっては審査を通らない可能性もあります。

前述のように、オンサイトPPA の契約期間は15年から20年と長期に渡ります。その長期間、経営状況を維持できるかどうかは、PPA事業者 にとってはリスクを避ける為に判断が必要になるのです。
 
 

 デメリット6 

敷地の広さによっては発電量が限られる

 

オンサイトPPA や 自社所有モデル の場合には、自社敷地内に設置できる太陽光発電所の大きさによって、発電量が決まってきます。

電気使用量や発電所を設置できる広さによっては、充分な発電量を確保できないこともあります。
 
 

 デメリット7 

契約終了後のメンテナンスは自己負担になる

 

契約終了後には、太陽光発電所は、自社の所有物になり発電した電気も購入せずに自分で使用することができるようになります。

自社所有モデル と同じになり、メンテナンスも自分たちで責任を持つことになるのですが長期の契約期間を過ぎて、発電所も老朽化しているためメンテナンスや修繕の負担が大きくなりやすいという傾向があります。

オンサイトPPAと自社所有モデルどちらを選ぶ?

以上の特徴から、

初期費用をかけたくないのであれば「オンサイトPPA」

長期的な利益を優先するのであれば「自社所有モデル」

という選択の仕方が一般的です。
 
 

次の記事では「オンサイトPPAとオフサイトPPAの違い」について
説明していくカメ♪

 
 
 

OTHER COLUMNおすすめのコラム

タイトルとURLをコピーしました