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オンサイトPPAとオフサイトPPA

今回は前回のオンサイトPPAと自社所有モデルに続き
オンサイトPPAとオフサイトPPAの違いなどについて
説明していくカメ♪

前回の投稿はこちら

オフサイトPPAとは?

オフサイPPAとは、どのようなものか見ていきます。

オフサイトPPA は、図のように
1.自社の「敷地外」に設置した
2.「他社所有」の発電所で発電した電気を
3.小売電気事業者を介して送電して
4.発電した電気を購入して
5.自社で使う

という 自家消費型太陽光発電 のモデルです。

オンサイトPPA との違いは「敷地外の発電所から送電する」という点です。この「敷地外の発電所」になったことで、特徴が大きく変わってきます。
 

小売電気事業者を介するのはなぜ?


 

「他社が発電し、別の土地から送電した電気」を直接購入して使うには、発電事業者が「小売電気事業者」でなければならないと電気事業法に定められているためオフサイトPPA を行う場合には「小売電気事業者」を介する必要があります。

オンサイトPPAとオフサイトPPAの違い

「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」を比較すると、このようになります。


 

初期費用やメンテナンス費用はどちらもかからない


 

初期費用やメンテナンス費用がかからない代わりに電気料金の支払いが必要です。これは「PPAモデル」の特徴ではあります。
 

オフサイトPPAのほうが発電量が大きい


 

両者の大きな違いのひとつが「発電量の大きさ」です。そしてこれは、オフサイトPPA を選択する最も大きな理由にもなります。
 

オンサイトPPAのほうが電気料金が安い


 

電気料金は、オンサイトPPAの方が安くなります。また再エネ賦課金も オンサイトPPA の場合にはかかりません。
 

「契約のハードルが高い」のはオフサイトPPA


 

オフサイトPPA の方が、契約のハードルが高く2023年現在では、導入しているのは大手企業が大半です。
オフサイトPPA を導入したい企業でも契約できるかどうかがまず大きなハードルになります。
 

非常用電源としての活用PPA


 

オンサイトPPA は、非常用電源としても活用できますが、オフサイトPPA は、非常用電源としては活用できません。
 

日本国内で主流なのは「オンサイトPPA」


 

発電量の大きさが魅力的な オフサイトPPA ですが、契約のハードルが高いなどの要因もあり、日本国内ではまだ事例が少ないのが実情です。

電気料金はどのくらい?

オンサイトPPAの電気料金


 

オンサイトPPAの電気料金は「9~11円/kWh」がおおよその相場となっています。

出典:自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向(2022年8月)」
 
 

オフサイトPPAの電気料金


 

オフサイトPPA の電気料金は「18~21.5円/kWh」がおおよその相場となっています。オンサイトPPA と比較しても、倍近い金額になることが分かります。

出典:自然エネルギー財団「コーポレートPPA日本の最新動向(2022年8月)」
 
 

一般の電気料金との比較


 

一般の電気料金と比較してみましょう。
 

電気料金が高騰している現在の価格との比較
 

一般社団法人エネルギ―情報センター「新電力ネット」を元にした、2022年11月時の電力市場の平均販売単価に、再エネ賦課金(3.36円)を加えたもの。

 

電気料金高騰が落ち着いた場合


 

オンサイトPPA の電気料金は、価格高騰前の金額と比較しても安く抑えられていました。

しかし、オフサイトPPAは高圧や特別高圧の金額は、高騰前の価格よりは高い金額になっているので、オンサイトPPA は、仮に高騰前の電気料金に戻った場合でも「電気料金削減」になりますが、オフサイトPPA は割高になります。

オフサイトPPAのメリットとデメリット

オフサイトPPA には、以下のようなメリットがあります。

 オフサイトPPA「6つのメリット」 

1.初期費用・メンテナンス費用がかからない

2.より多くの発電が可能

3.敷地内に発電所を設置できない企業でも再エネが導入できる

4.複数の拠点に送電できる

5.「電気料金削減」が可能(電気料金高騰時)

6. 電気料金の価格変動リスクに対応できる

 
 

詳しく見ていきましょう。

 メリット1 

初期費用・メンテナンス費用がかからない

 

オフサイトPPA も オンサイトPPA 同様に、「他社所有」の発電所になりますので、初期費用・メンテナンス費用がかかりません。
 

 メリット2 

より多くの発電が可能

 

オンサイトPPA や 自社所有モデル は、発電所を設置できるスペースによって、発電量が限られていましたが、オフサイトPPA の場合には、発電所用の土地を用意するため必要な電気量に応じて、より多くの発電が可能になります。
 

 メリット3 

敷地内に発電所を設置できない企業でも再エネが導入できる

 

自社の敷地外に発電所を設けることが出来ますので

・敷地内に発電所を設ける場所が無い

・屋根の形状が特殊で設置できない

・自社が塩害地域

上記のような事情で、太陽光発電所を設置できない企業でも再エネを導入できます。

 

 メリット4 

複数の拠点に送電できる

 

オフサイトPPA で発電した電気は、一箇所だけでに限定せず、複数の拠点に送電して使用することが出来ます。
 

 メリット5 

「電気料金削減」が可能(電気料金高騰時)

 

オフサイトPPA の電気料金は、オンサイトPPA ほど安くはありませんが、2023年現在の高騰した電気料金よりは安く抑えられます。
 

 メリット6 

電気料金の価格変動リスクに対応できる

 

また、オフサイトPPA の電気料金は燃料価格などの影響を受けませんので一般の電気料金のような価格変動リスクがありません。

続いてオフサイトPPAのデメリットを見ていきましょう。
 
 

 オフサイトPPA「6つのデメリット」 

1.契約ハードルが高い

2.電気料金は他の自家消費の中では割高

3.再エネ賦課金がかかる

4.長期契約になる

5.非常用電源として活用できない可能性がある

6.契約終了後のメンテナンス費用は自己負担

 
 

 デメリット1 

契約ハードルが高い

 

一つ目のデメリットが「契約ハードルが高い」と言う点です。
 

PPA事業者の負担が大きい

オフサイトPPA も オンサイトPPA 同様に、初期費用などは PPA事業者 が負担することになります。

しかしながら、オフサイトPPA は規模の大きな発電所になることが多く、その分、PPA事業者 の負担する金額も大きくなります。
 

審査が厳しい

負担する金額が大きく、さらに長期間でその金額を回収していくことになるのでPPA事業者 の立場から言えば、長期間にわたり安定して経営が継続する企業と取引をしたくなります。

そのため、審査が厳しくなります。
 

現状は大手企業の導入が大半

オフサイトPPA を導入できているのは、現状では大手企業に限られており、国内での導入事例はまだまだ少ないのが実情です。
 
 

 デメリット2 

電気料金は他の自家消費の中では割高

 

メリットの中では、現状の高騰する電気料金と比較すれば削減になるとお伝えしましたが、他の 自家消費型太陽光発電 のモデル(自社所有モデル/オンサイトPPA/自己託送)と比較すると、電気料金は割高になります。
 

 デメリット3 

再エネ賦課金がかかる

 

上記の電気料金ともかかわってきますが、オフサイトPPA の電気料金には、再エネ賦課金 がかかってきます。

他の 自家消費型太陽光発電 のモデル(自社所有モデル/オンサイトPPA/自己託送)には 再エネ賦課金 はかかりませんが、オフサイトPPA は「小売電気事業者 を介する」ため、再エネ賦課金 の負担が生じます。

 デメリット4 

長期契約になる

 

オンサイトPPA 同様に、契約は長期間になります。

ただし、自社の屋根などに設置するわけではないので、自社の建物の改修や引っ越しなどは影響しません。
 

 デメリット5 

非常用電源として活用できない可能性がある

 

オフサイトPPA は、オンサイトPPA や 自社所有モデル と異なり、「電力会社の送配電網を使用している」ため、自然災害などで送配電網が途絶した場合には電気の供給も途絶えてしまいます。

そのため、非常用電源として活用はあまり見込めません。

 

 デメリット6 

契約終了後のメンテナンス費用は自己負担

 

オンサイトPPA と同様に、契約終了後にはメンテナンスは自己負担になります。長期の契約期間を過ぎて、発電所も老朽化しているためメンテナンスや修繕の負担が大きくなりやすいという傾向があります。

まとめ

まとめると、

・PPAモデル は導入費用やメンテナンス費用がかからない

・但し、契約期間が長くなるので注意が必要

・オフサイトPPA の方が大規模な発電は可能だが、電気料金が高く契約ハードルが高い。
 

オンサイトPPA も オフサイトPPA も、作った電気を売らずに、自社施設で使用するための太陽光発電システムの 自家消費型太陽光発電です。

 
 


次の記事ではオフサイトPPAに似ている「自己託送」について
説明していくカメ♪

 
 
 

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